


昨年末に発表した独自開発の『温水熱発電システム』。誰もが知っている原理を応用した、正に『発想の転換』の発電システムに、国内外が注目している。発表以来、様々な方面から問合せや、引き合いが活発化している最中、同システムの進捗状況について話を伺った。
― 正に発想の転換で、誰も作ったこと無いシステムですが、理論上も技術的にも可能なシステムとして、一躍脚光を浴びております。共同通信等がリリースしてくれたこともあって、海外での反響が大きく、GE,P&H,シーメンス、フィリップスなど海外の重電メーカーなどからの問合せが相次いでいます。また、技術自体を売ってくれないかとか、M&Aを持ちかけてきたり、中にはハゲタカ・ファンドと言われているところからも投資の話が来たりと、びっくりしています(笑)。
― 特に欧米諸国では、以前から国内外のベンチャー企業に対する投資には積極的だということがあげられます。また欧米の企業はビジネスチャンスに反応が早いと言うこともあると思います。その背景を探ると、その昔、貴族などが芸術家や発明家などに対して、若い頃からスポンサーとして育てるという気風が、現在に繋がっているのかもしれません。
― 電力会社では関心を持って頂いていますが、国内重電メーカーの反応はやや鈍いところがあります。ただ、当社としては、当初需要先を電力や工場の廃
熱有効利用に想定していたのですが、新聞等発表以来、意外なところからの問合せが多いことも確かです。例えば温泉旅館もそうですが、特に驚いたのが地方自治体からの問合せが多いことです。
― 発電所では、火力や原発では、加熱を防ぐため150℃以下になるよう水で冷やし、温排水として海に
排出している。しかし、排水口周辺の海水温度を環境保護の問題から制限値以下に保つ必要がありますが、同システムを通すと40℃以下で排出されるうえ、廃熱の30%程度を回収するため大幅な効率性の向上と、環境改善につながるものと考えています。発電所クラスともなると、同システム導入のためのイニシャルコストは相当掛かりますが、ランニングコストはゼロに近く、回収電力のみが儲けとなりますし、大幅なCO₂削減にもなります。ですから、電力会社から関心を持って頂けるのだと思います。
― 私たちも勉強不足のところがあったのですが、例えば全国にごみ処理工場がありますが、仙台などでもそうですが、ゴミ処理工場には廃熱を利用した市民プールを設置していますが、高熱による処理ではダイオキシンなどの問題も有り、当社の『温水熱発電システム』に関心を持って頂いているようです。また、温泉地を多く抱える西日本の自治体や、原発事故隠蔽問題の多さからでしょうか原発所在の自治体からの問合せも多いようです。ほかにも、様々な理由でお問合せを頂いております。
― これまで試行錯誤を繰り返しながら進めてきましたが、現在のところ5月中には何とか形にしたいと思っております。最低でも1kWの発電が出来るものをと考えております。各地でデモンストレーションできるように搬送できる程度のものを設計・製作しています。ただタービン部分の製作を依頼しておりますが、精密な技術を要するため少々手間取っているようです。何よりも私自身が、早くデモ機が完成すればと願っているところです。というのも、テレビ各社からも取材の話があるのですが、電波媒体に情報を提供するにも、やはりデモ機がなければ説得力がありませんし、電波を通して眼で実際に見てもらうのが一番かと考えています。そうすれば一般の人も含めて、システムを早く認知してもらえますから。本当に多くの人に見て、知ってもらいたいんです。皆さんの前で、薬缶から水をいれて、タービンが回り、ホーラ!電気が灯きましたーと言った感じで…(笑)。
― 北海道の研究グループにより進められているシステムは、100℃以下の低温度熱源で加熱や冷却することで、水素を放出・吸収する性質を持つ特殊な合金を使って、自然エネルギーを大型機械の動力に転換しようというものです。ただ、現状では水素の取扱は大変危険で、不安定な面もあり、私個人としては懸念せざるを得ないところです。また、同装置は駆動装置にピストン運動を活用したレシプロ型を採用していますが、効率の面でも気になるところです。これに対して、手前味噌ですが、当社のシステムは、利用する素材は水そのものですし、しかも100℃以下の温度ですので安全ですし、タービン採用で効率的です。また、容器自体も軽量な素材で充分ですので、設置場所や取扱も容易です。
加えて、タービン部にも更なる発想の転換を採用しています。通常、タービンの羽に、空気を吹き付けることで、羽を回し、エネルギーを得ています。しかし、当システムでは、空気を吸うことで羽を回すというもので、この方が、遥かに効果的にエネルギーを得易いものになっています。
― 『温水熱発電システム』については、マーケットが大きく、電力や大規模工場へのシステム供給となると莫大な経費がかかるため、資金力の無い中小企業では供給は不可能です。ですから、特許も申請していますので、システムの技術が世間に認知されて来た段階で、折りを見て技術レンタルのような形で重電メーカーに製品供給を任せていければ考えています。
むしろ東北空調管理としては、巨大金魚技術を生かした『健康一番』が発売開始以来4年たって軌道に乗ってきたことや、さらに巨大金魚技術を利用した殺菌効果を応用して医療分野に傾注していきたいと思っています。薬害が問題視される中、専門家の中には、人間をはじめ生き物が不可欠としている酸素を活用した殺菌力の活用が必要だと言う方もいます。当社としても、“薬漬け日本”脱却目指して、更なる開発に注力したいと思っています。
本日はお忙しい中、有難うございました。
温水熱発電システム
東北空調管理が試行錯誤の末に開発、昨年12月に発表した新しい概念に基づく発電システムで2006(平成18)年10月に特許も申請した。火力や原子力発電が200~500℃の超高温・高圧の蒸気によってタービンを回しているのに対して、新しいシステムでは、完全密封の真空状態で減圧環境を作り、100℃以下の低温状態で蒸気を発生し、タービンを作動させる。従来の発電システムから『発想を逆転』させ、気圧が下れば、水の蒸発温度も下るという周知の原理を応用したもの。実験データでは100℃以下60℃程度までの温水熱でタービンを回すことが可能だといい、国内外から注目を集めている。
※今回の「宮城の社長Blogリレー」は、東北経済調査研究所 様 発行 旬刊東北経済 1874号より抜粋しお届けしております
庄子平允(しょうじ へいすけ)
1944(昭19)年12月7日生まれ、62才。
血液型AB型。仙台市出身。
中央大学経済学部卒業。卒業後、三井物産㈱に入社。
1972(昭42)年より東北空調管理㈱に勤務、現在に至る。税理士、工学博士等の資格をもつ。
仙台市太白区長町七丁目1-25
TEL:022-248-6321 FAX:022-248-6324
【設立】1971年4月
【資本金】1億5,000万円
【従業員】43名
【事業内容】空調管理・工場プラント・各種省エネプラント・養殖プラントほか